ついに、残すところは2005年・2006年の、あと2年分となりましたこの企画、
(2007年〜2009年は既に各年の年末にて発表済ですからね)
今日からは、2005年の私的名盤アルバムを紹介したいと思います。
それでは、まずはこの作品から、いってみましょう。







転生

転生

1. 遺失物預り所 2. 帰れない者たちへ 3. 線路の外の風景 4. メビウスの帯はねじれる
5. フォーチュン・クッキー 6. 闇夜のテーブル 7. 我が祖国は風の彼方
 8. 命のリレー
9. ミラージュ・ホテル 10. サーモン・ダンス 11. 無限・軌道
お気に入り度:98点









中島みゆきさんの、通算33作目のオリジナルアルバム。
「輪廻転生」について歌った、1つのコンセプトアルバムといっていいような作品で、
全編を通して聴いたときのスケール感がすごい、そんな作品です。
8曲目の「命のリレー」などはこのアルバムの象徴のような曲といいでしょう。
この1曲だけをとっても、歌詞通り「この一生だけでは辿り着けない」かのような、そんな壮大なスケール感。
サビの荒々しくも力強い歌唱がまた、本当に心を打たれる曲です。


そして何より、この作品は、アルバム全体を通しての構成が完璧です。
1・2曲目では、人生のスタートといっていいような曲で、
そして3曲目では、人生という名のレールの上を、そして大自然の、草原の中を走っている姿が思い浮かぶ、
「線路の外の風景」。これで一気に目の前が開けるかのような・・・
(余談ですが、この曲はぜひ列車で旅をしている時に聴きたいです!)


その後も、アジアンテイストを感じるサウンドが印象的な「フォーチュン・クッキー
低音の歌唱がダークな雰囲気をかきたてている「闇夜のテーブル」、
歌詞といい、ピアノやオーケストラの音といい、実に壮大なバラード曲「我が祖国は風の彼方」
などといった、歌謡曲をベースにしながらもさまざまな曲調の歌を歌い、それと同時に、
曲ごとにさまざまな人生の1ページを歌っているかのような、
そんなアルバム曲の数々となっています。


そして、このアルバムのクライマックスといっていいのが、10曲目の「サーモン・ダンス」。
タイトル通り、サケが川を登る姿が思い浮かぶかのような、
そしてその力強い姿に、まるでこちらも励まされるかのような、そんな曲です。
打楽器の音とアコーディオンの音が響くイントロから始まり、
そして、それこそ川を登り始めるかのように、一気に盛り上がるサビの部分は圧巻といっていいです。


「生きて泳げ 涙は後ろへ流せ」
向かい潮の彼方の国で 生まれ直せ」


こんな歌詞、どうやったら思いつくのだろうか・・・
つくづく、天才としか言いようがないと思います。
このサビの歌詞といい、歌唱、サウンド、そしてラストでの転調といい、
とにかく全てにおいて力強くて、感動的としか言いようがない作品です。



中島みゆきさんのオリジナルアルバムの中では、今のところ私的には、最高傑作です。
といっても、アルバムはまだ計5枚しか聴けてなくて、あと30枚以上聴けてない作品があるのですが(汗)
それはともかくとして、少なくとも2000年代では、最高レベルの作品といっていいでしょうね。