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現在連載中のキングオブベストアルバム、今日は、２００２年にいってみたいと思います。
この年において、既にレビュー済みの名盤アルバムとしては、TOMATO CUBE「TOMATO CUBE」があります。
（よく見てみたら上記作品は２００２年じゃなくて２００１年でした。２００２年分を書いてる途中に気がついてしまった・・・）
今回ここでは、計２作を取り上げたいと思います。この２作は、どちらも本当に衝撃的な作品でした。
私的音楽史に残る大傑作といっていいです。ではまずはこの作品、いってみましょう。

NO NAME

1. 女神　2. 氷の森　3. 楽園　4. I just　5. ウェンディ　6. 会いに来てよ　7. ANTI KNOCK
8. 終わりのみえる場所　9. I wish　10. プラスティック・ワールド　11. 花びら
お気に入り度：１００点！！

ボーカルのRUMIKOさんとギターのSHOJIさんで結成された、男女２人組ロックユニット、CAVEの1stアルバム。
デビューシングル「花びら」は元黒夢、SADSの清春さんプロデュースということで話題になり、
2ndシングル「女神」ではHEY!HEY!HEYに出演、
3rdシングル「楽園」は遊戯王のアニメ主題歌に起用されたりなどしてたにもかかわらず
世間的には全く無名のまま消えてしまったのは、本当に運が無かったといっていいでしょう。
こんなにもすごい作品を出していたにもかかわらず、ほとんど誰にも知られることがなかったなんて、
あまりにももったいないとしか言いようがないです。

このアルバムは、女性ボーカルのロック作品の中で、歴代最高レベルの作品だといっていいでしょう。
ロックの持つ鋭さや激しさ、攻撃性や退廃性に、セクシーさ、優しさ、癒しなど、様々な要素、
そして様々な人間の持つ感情が表裏一体になり、これでもかとばかりに強く歌いかける楽曲の数々。
曲によって、そのような多種多様な歌い方や顔をみせてくれるRUMIKOさんの素晴らしい歌唱に、質の高いメロディ、
おまけにそんな激しい感情を歌ったロックでありながら、万人に聴きやすいキャッチーさも持ち合わせている、
ポップとヘヴィが絶妙に融合したサウンド、まさにどれをとっても最高といっていいものでした。

その中でも１曲目「女神」は、私が今まで人生で一番たくさん聴いた曲かもしれません。
力強い歌詞、歌唱と、エモーショナルなサウンドが一体となった、圧倒的なまでのスケール感、
これには感動の一言、心の底から、希望やパワーが沸いてくるかのような・・・
そう、これはまさに女神が光臨して、聴く者に強く歌いかけてそんな気持ちを呼び起こしてくれているかのような・・・
この曲は、私的殿堂入り中の殿堂入り楽曲といっていいぐらいの曲でしょう。
これは３曲目「楽園」もそう。同じくエモーショナルなサウンド、そして２番後の間奏の部分なんて特に、
まさにこの瞬間目の前が開けて、そして楽園がこの地に広がっているかのような・・・

他にも、ゴリゴリのヘヴィなサウンドにのせて、激しい感情、愛情を歌った「ウェンディ」「ANTI KNOCK」、
同じく激しさとエロティックさがこれでもかとばかりに襲いかかる「花びら」のような曲もあれば、
それとは対照的にポップで聴きやすく、ゆったりとしたバンドサウンドと、
落ち込んだ気持ちを励ましてくれるような歌詞、優しく歌いかけるRUMIKOさんの歌声に癒される「氷の森」、
死に行く人を、優しく包み込むかのように歌ったバラード曲「終わりのみえる場所」、
Mr.タイムマシーンよ僕らを乗せてという歌詞が印象的な、
まるで時間旅行をしているかのような６分半の超大作「プラスティック・ワールド」のような曲もあり、
とにかく多種多様で捨て曲無し。つくづく、この作品がなぜもっと売れなかったのか本当に信じられないです。
レコード会社がもっとしっかりと売り出していれば・・・　シングルのリリース間隔も空きすぎてた感じでしたし。
こういう女性ボーカルのロック作品は、日本のメジャー音楽シーンにおいては層が薄いので、
これがブレイクしてれば、もしかしたら日本の音楽シーンがその後変わったかもしれないというぐらいの、
それぐらいのすごい作品だったのに・・・

もちろんこれは、今聴いても全く色褪せてない作品です。特に、ロック好きやバンド好きの人は絶対聴くべきでしょう！

CAVE「楽園」