やっぱり調子に乗ってバトンの項目を増やしたりするもんじゃなかったですね・・・ 反省いたします。


では、気をとり直して、今日もCDレビューを書いてみたいと思います。
今回取り上げるのは新作アルバムです。今年リリースの作品についてもレビューしたい作品がいっぱいたまってますので、
どんどん書いていきたいと思います!






誰も教えてくれなかったこと

誰も教えてくれなかったこと

1. Prototype 〜Album version 2. 砂の上のドルフィン 3. squall 4. クラウディ 5. 落涙
6. Shylpeed 〜シルフィード〜 7. 49scale
 8. First Pain 9. Blue Velvet 10. 誰も教えてくれなかったこと 
11. 太陽 12. 1/2
お気に入り度:93点






See-Sawのボーカルとして、また数々のアニメ主題歌を歌う歌手としても活躍してきた、石川智晶さんの2ndソロアルバム。
まず聴いて思ったことは、前作同様、歌詞が素晴らしいです。それも、日本屈指なまでのレベルといっていいぐらい。
天才詩人といっていいぐらいだと思います。比喩表現もうまいし、聴けば聴くほど、とにかく深い。
今このレビューで、特に心に響いたフレーズを挙げようとしても、多すぎて選べないぐらい。それぐらいすごいです。
それでもあえて選ぶなら、「First Pain」の全部。この歌詞全部です。
本当に心にしみ渡る・・・ これはもう、今年の私的年間ベストソング入りですね。


そして、サウンドの方は、今作はケルト音楽の要素を取り入れたのが特徴です。
マンドリン、ハープ、バイオリンなどといった様々な楽器を使った、牧歌的なサウンド
このような音楽を、今の日本のメジャーアーティストでやっている人はほとんど他にいないのではないでしょうか。
(かつてはSeanNorthもいたのですが、現在は残念ながらメジャー歌手ではないので・・・)
こういった、他の歌手があまりやってないような音楽をあえて取り入れる姿勢は、とても良いと思います。
そんなサウンドに、優しくもどこか神秘的な雰囲気のする、石川さんの歌声が、絶妙に合っていますね。


ただ、後半はどうしても他の曲と印象がかぶるような曲が多かったので、
個人的には、See-Saw時代の「あんなに一緒だったのに」のようなアップテンポ曲も聴きたかった気もします。
でも、こういう路線はやはり彼女本来のやりたい路線ではなかったということでしょうかね。


しかしこれだけの歌詞、そして作品を作っているにもかかわらず、残念なのは、
彼女の作品は、アニソンというフィールドの中だけでしか評価されていない気がするということです。
もっと、テレビやラジオや新聞や音楽雑誌などで取り上げられて、高く評価されてもいいはずなのに・・・
テレビの音楽番組については、この前NHKの「MUSIC JAPAN」のアニソン特集に出演しているのを見ましたが、
これが歌番組初出演だという紹介を聞くと、あぁやっぱりアニソンの世界でしか評価されてないのかと・・・


このように、世間的にアニソン歌手と思われることについて石川さん自身がどう思っているかは分かりませんが、
しかしこの作品、この歌詞には、アニメとかそういう枠を超えた、普遍的な素晴らしさがあるといっていいでしょう。
なので、幅広い世代にもっと聴いて欲しいと思う、そんな作品だと思います。





石川智晶「Prototype」