今日は、CDアルバムレビューを書いてみたいと思いますが、今回取り上げるのは、
前からちょくちょく聴いていましたがこのブログで取り上げたことは名前すらなかったという、
いわば隠し玉をレビューしてみたいと思います。
それどころか、私の巡回している音楽専門ブログや歌姫系ブログでも、
この歌手が取り上げられてるのはまだ見たことがないです。
(といっても、知ってる人は普通に知ってるでしょうが・・・)


ということで、まさに正真正銘の隠し玉、ではいってみましょう。







Gothic Lolita Doctrine

Gothic Lolita Doctrine

1. Gothic Lolita Doctrine 2. Valtica 3. 機械少女幻想 4. 赤い扉 5. Schwarzer Sarg
6. Hades:The bloody rage 7. Wisdom 8. Destrudo 9. 彩の無い世界 10. 至純の残酷
11. Simulacra 12. 霊喰い 13. Alte Burg 14. Wei β Flugel
お気に入り度:94点




妖精帝國の2ndベストアルバム。
ボーカル、ゆいさんとキーボード・ギターの橘尭葉さんによる2人組ユニットです。
このアーティストの曲を聴いてみようと思ったきっかけは、以前にとある音楽レビューサイトにて、
主にアニソンやゲーム界で活躍するアーティストでありながら、
メタル的な要素を取り入れた音楽をやっているという話を聴いて、興味を持ったからです。
そしてアルバムを聴いてみると、まさにその通り、期待通りといっていい内容を聴かせてくれました。


もともとは「打ち込み系ユニット」というプロフィールで、テクノなどの電子音楽をベースとしながらも、
これに加えて、バイオリンやオーケストラの音を取り入れたメタル、
いわゆる「シンフォニックメタル」というジャンルを融合させたような、独特なサウンドが広がっています。
5・6曲目なんかは特にシンフォニックメタルって感じです。
音作り自体は打ち込みが多いので、ズシっとしたヘヴィな音が響くという感じではないですが、
それでも、壮大な世界観を持ったこれらの曲は、個人的にはもう最高です。
なにより、今の日本のメジャーアーティストでこんな音楽をやっている人はいないですから。
(一時期のm.o.v.eがこれに近い音楽をやってたんですが・・・ メジャーではこれぐらいでしょうね)
それに対して、2・8曲などはテクノ・トランス色の強い曲で、思わず体を動かしたくなるようなサウンド
このアーティストはいわゆるアニソンの世界においては、ALI PROJECTなどと比較されることが多いと聞きましたが、
サウンドの多様性、作風の振り幅の広さにおいては、こちらの方が上なのではと思いましたね。


そんなサウンドに加えて、歌詞も独特の世界観を持っています。
2曲目でいきなり「絶対運命迷子人間 冷酷心情最高」といったような歌詞が出てきて、
3曲目の「機械少女幻想」では、タイトル通りの、機械・ロボットになってしまった人たちの世界を描いた曲、
といった感じでとにかく全編通して、濃すぎるぐらいに濃い世界観が広がっています。
そしてこれらの歌詞やサウンドをバックに、ボーカルのゆいさんの、
まるでボーカロイドの声みたいな、高くて甘い声がからむ・・・


とにかく歌詞もサウンドもボーカルも強烈な個性を持っているので、
合わない人には全く合わないと思いますが、音楽的には本当にすごいと思います。まさに唯一無二。
ただベストアルバムともなると、若干似たような印象のある曲が何曲か重なってしまう傾向があったので、
次はぜひオリジナルのフルアルバムをリリースしてくれることを期待したいですね。
(ていうか、調べてみたらここまでベストアルバム2枚とミニアルバム1枚のリリースで、オリアルが0という歌手も珍しい・・・)
ライブにも機会があれば行ってみたいです!




妖精帝國「Hades:The bloody rage」