夏の高校野球は、今日で全地区の代表校が出揃いましたね。


奈良からは、今年もさすがの前評判通りといいますか、智弁学園が甲子園出場を決めました。
おめでとうございます。



ちなみに、今年の奈良大会で私が一番印象に残った高校は、登美ヶ丘高校でした。



今年の奈良大会の一番の名勝負(といっても奈良テレビのハイライト番組を見てですが)は、
準決勝の、智弁学園 ― 登美ヶ丘戦だったと思います。


この試合では、途中までは大方の予想を覆し、9回表まで登美ヶ丘が2−1とリード。


もし登美ヶ丘が勝てば、決勝では、既に先に決勝進出を決めていた奈良大附との、
どちらが勝っても春夏通じて甲子園初出場対決が実現することになり、
この奈良大会において36年間も続いていた、天理・智弁学園・郡山の3強独占、
そのうち33年間は、2000年の郡山を除くと、天理と智弁の2強独占という状態が続いていた、
これが終わるという歴史的瞬間まであと1歩のところまで来てました。


しかし、智弁学園は9回裏に追いつく。さすが、強豪校の底力。
この9回裏では、ホームでの交錯により登美ヶ丘のキャッチャーが負傷するアクシデントも発生・・・
しかしそれでも登美ヶ丘は同点止まりまでに抑え、試合は延長戦に。


10回表、登美ヶ丘は1アウト満塁のチャンス。
しかしここでなんと、打席に向かった5番バッターが熱中症で倒れてしまう・・・
代打が送られるも、そのバッターは三振。
チャンスがしぼみかけたかと思われた2アウト満塁。
しかしなんとここで、次の6番バッターがタイムリーを打ち、再び登美ヶ丘が3−2と勝ち越し。


10回裏、智弁学園の攻撃。
2アウト1塁、あと1つアウトを取れば登美ヶ丘の勝利。


ここで智弁学園の2番バッターが放った当たりは、
一瞬打ち取られたかなと思われた詰まり気味の当たりでしたが、ギリギリレフト前に落ちてヒット。


次のバッターはカウント2−3から四球。これで2アウト満塁。


まさにクライマックス。登美ヶ丘のリリーフエース VS 智弁学園の4番バッターとの、一世一代の大勝負。



ここで、4番バッターが放った打球は・・・・・




強い当たりのファーストゴロ!



が、なんとこれが、イレギュラーして1塁手の上を抜け、逆転サヨナラタイムリー。




やはり今年も、智弁学園は強かった。




試合終盤の強豪校の底力というものは、本当に見てて感じ取れますね。


しかし同時に、奈良大会の勝利の女神が、智弁学園に味方したんだとも感じる試合でもありましたね。



試合終盤のここぞの場面で、打ち取られたかと思われた打球がヒットになるのも、
さらにはここぞの場面で、打球がイレギュラーするのも、
逆に大ピンチの時に、相手チームのクリーンナップの主力打者が熱中症で倒れてしまうのも、
やはり強豪校の底力・・・なのでしょうか? いや、運の要素もあるでしょう。



2年前の奈良大会決勝を思い出しましたね。


決勝の天理 − 斑鳩(現・法隆寺国際)戦、
9回表まで斑鳩が1点リードし、ついに悲願の夏の甲子園初出場かという試合で、
1アウト後、完璧に打ち取った当たりが内野安打になってからピンチを招き、最後は逆転サヨナラで天理が勝った試合。
そういった試合もありました。この試合も名勝負でした。



しかし、奈良大会の勝利の女神は、なぜ、天理・智弁学園以外のチームには味方してくれないのでしょうか・・・?



ちなみに古くは、天理−高田商の決勝戦で、高田商は好投手、三浦大輔(現・横浜ベイスターズ)を擁し、
途中まで天理相手にリード、しかし、なんとここで雨天により試合中断、
再開後にはすっかり流れが変わってしまい、逆転で天理が勝利したという試合もあったらしいです。
(この試合は私は見てないのでよく知りませんが)



そして、今年の登美ヶ丘。
負傷者2名を出しながらも、こんなにも頑張ったのに、あと1アウトで勝利というとこまできたのに、それでも勝てないのか・・・ 



あまりに厳しすぎる、勝負の世界ですね。



それでも、強豪相手に互角以上の名勝負を繰り広げた、
登美ヶ丘高校のみなさんには、本当に心からの拍手を送りたいです。