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- アーティスト: 特撮
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2011/06/29
- メディア: CD
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6. 空想ルンバ 7. 追想(インスト) 8. ヌイグルマー 9. ロコ!思うままに(011) 10. かってに改造してもいいぜ
11. Dead or Alive 12. メビウス荒野 〜絶望エピソード1〜 13. ルーズ ザ ウェイ(011)
お気に入り度:96点
大槻ケンヂさん率いるパンクバンド、特撮の約6年ぶりとなるオリジナルアルバム。
2006年の筋肉少女帯の再結成後は活動休止状態となっていたバンドですが、
その後、アニメ「さよなら絶望先生」の主題歌として、「大槻ケンヂと絶望少女達」名義で
リリースされた作品の数々を、特撮のメンバーが製作担当したことがきっかけで
今年から再始動されることとなり、そして今回のニューアルバムがリリースされました。
これは期待通り、いや期待以上の作品といっていいでしょう。まず序盤の1〜3曲目からしてやられました。
激しいラウドロックやハードコアといった音楽の中に、ピアノの音が絡む「5年後の世界」、
電子音が絡む「オム・ライズ」、そして大槻ケンヂと絶望少女達の曲「林檎もぎれビーム!」
この流れからくる破壊力はすごい。序盤にしてテンション最高潮といっていい。
そしてその後の曲も、1〜3曲目ほどのすさまじい激しさは無いものの、
どれも楽曲のレベルが高い曲ばかりで、最後まで飽きることなく聴ける作品です。
何よりこの作品は、アニメ関連の曲と特撮オリジナル曲がアルバムの中で見事に融合しているのがすごい。
そもそも「林檎もぎれビーム!」ぐらいぶっ飛んだアニソンを、並のアーティストのアルバムに入れたら
作品の中で浮いてしまいそうですが、このアルバムでは全くそんなことが無い。
これぞまさにオーケンワールド、タイアップ先がどこであろうが、ある意味統一された
独自の世界観というものを、作品全体から存分に感じることができます。
むしろ「人として軸がぶれている」のような、どこか屈折した感情を歌った曲は
前作の筋肉少女帯のアルバムでは鳴りを潜めていた要素であり、
そういう意味ではアニソンを歌ったことがきっかけで音楽的に原点回帰したといえるかもしれません。
アルバム全編を通して、相変わらず歌詞の質はすさまじく高いですし、
さらにサウンド面では、アルバム内の至るところでピアノが活躍しているのもこの作品の特徴でしょう。
11曲目の「Dead or Alive」はピアノロックといってもいいぐらいの曲。
さらには「霧が晴れた日」のような大作バラードも収録されていたりといったように、
従来のパンクバンドの枠にとらわれない、多彩かつ個性に溢れた曲の数々を作っているのも素晴らしかったです。
これは2011年の音楽シーンを代表する名盤といっていいかも!?
ロックだとかパンクだとかアニソンだとかいった枠を超越した、名作アルバムといえるでしょう。