では気をとり直して、アルバムレビューにいってみましょう。
2005年の私的名盤アルバム、今日紹介するのはこの作品でございます。








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1. FAKE FACE 2. Dragon 3. BUBBLEGUM DREAM 4. DENNY 5. ICE BREAKER 6. 太陽がみてる場所 
7. 光 8. TRICK KIDS
(インスト) 9. 罪と罰 10. 白い街
 11. ∞〜infinity〜
お気に入り度:★★★★★★★★★☆ (9.5/10)







ボーカルのAyumuさんと、ベースのMeguさんによる女性2人組ユニット、Zweiの2ndアルバム。
デビュー曲「Movie star」の時点から、
イギリス人音楽プロデューサー、ニック・ウッドさんによる楽曲プロディース、
さらに有線放送でのパワープレイなどで話題になっていたアーティストです。
おそらく、Zweiという名前を知らない人でも、曲を聴けば多くの人は、
あぁ、あの曲か!と思い出すのではないでしょうか。
そして期待して聴いた1stアルバムでは、全曲ニック・ウッドさんプロディースの
アルバムとなり、洋楽テイストの強い作品に仕上がっていましたが、
ただどうも私的には、アルバム曲の出来にムラがあり、
メロディセンスの違いなのか特に歌メロは全体的に弱いんじゃないかと感じてしまいました。


しかしこの2ndアルバムでは、他の日本人作曲家も起用した作品となり、
これが見事にハマりました。
特に、4thシングルにもなった「Dragon」は本当に素晴らしいです。
ストリングスの音が響くイントロから始まるデジタルロックで、
全編通してシャープかつ疾走感に溢れ、さらにAメロ、サビごとに表情を変えるアレンジや
2番のサビでの転調、そしてこれぞドラマチックとしか言いようのない間奏など、
まさに曲の展開美をこれでもかと感じる作品で、Zweiの一世一代の大傑作といっていいでしょう。


そして今作でも、ボーカルのAyumuさんの独特の声質から放たれる鋭い歌唱は、
1.10曲目のようなJ−POP的な曲でも十分過ぎるぐらいの魅力を発揮しています。
4曲目「DENNY」は、「邪魔する者など焼き尽くせばいい」といった
激しい内容の歌詞を歌いながらも、それでいて曲の方は独特のクールさも
合わせ持ったかのような、何ともいえないカッコ良さがある。
これはまさに彼女たちにしか歌えないような曲といっていいでしょう。
さらに今作ではニック・ウッドさん作曲の曲も、穏やかな曲調の「太陽が見てる場所」、
静かな鋭さを感じる「光」などといった曲が、どれもいい味を出しています。
8曲目に収録されている、3分近くあるインスト曲「TRICK KIDS」も、
Meguさんの演奏によるベース音がカッコいい、必聴の曲です。


このように今作では、邦楽と洋楽の両方の良いところが組み合わさったような作品となり、
多様かつ全曲ハイレベルな曲が揃った、名作アルバムとなりました。
しかし、これだけの素晴らしいアルバムを出したにもかかわらず、
その後のZweiの活動は、レコード会社や所属事務所などを次々と
移籍したこともあってか、満足な活動ができていないように感じるのが残念です。
新曲も2年ぐらいリリースが途絶えており、アルバムに至っては、
果たしてこれから3rdアルバムが出ることはあるのか・・・