今日は、以前にも予告しておりましたが、
私が最近知った、世間的にはまだまだ無名ながらも、素晴らしいアーティストを紹介したいと思います。
歌姫ファンもロックファンも共に必見ではといえる、そんなアーティストです。
それでは、いってみましょう!








ワコンチュ (和魂人)


公式サイト http://www.wakonchu.com/home.html





2003年に結成された、奈良出身の4人組ガールズバンド。
2006年に、インディーズレーベルよりCDデビュー、
2009年には「和魂人」からカタカナ表記の「ワコンチュ」へと改名、
現在は地元奈良や関西を中心にライブ活動を行っております。
このバンドの存在は、以前より地域情報誌などではチラっと聞いていたので、
前から聴いてみようかなとは思っていたのですが、
どうも私的には、インディーズの作品まではなかなか手が回らなかったので、後回しになっていました。


そしてようやく今年になって、このバンドの作品をCDショップで注文して聴いてみたのですが・・・


これが期待以上の、インディーズとは思えないぐらいの、素晴らしい作品だったのです。







愛しき生活

愛しき生活

1. 愛しき生活 2. 君はずるい 3. 恋の花火 4. 鮮やかなる夜 5. だいだい色の花 6. 冬のうた
7. つま先スウィミー 8. ア・エ・イ・ロ・ハ 9. ドラマチックステップ 10. 桜
お気に入り度:96点








このバンドの魅力を、公式サイトの言葉から引用すると、
「ポップの中にあるロック。新しさの中にある懐かしさ」
「ロックあり歌謡曲あり泣けるバラードもあり、時にジャジーでファンキーな顔も持つ、
なんでもありの女四人衆。」

このようキャッチコピーは、まさにその通りだったといえる、そんなバンドでございます。


まずアルバム序盤の1.2曲目は、良質なメロディの歌謡バラード。
特に2曲目の「君はずるい」では、バンドサウンドに絡む津軽三味線がまたすごくいい味を出しています。
そして3曲目「恋の花火」ではさらに、昭和の歌謡曲や演歌のようなテイストを強く感じさせ、
これを現代風にアレンジしたサウンドが、なんともいえない魅力を出しています。
4、5曲目では、引き続き和テイストでありながら、同時にジャズのような雰囲気も感じる、
まったりとした、心地良さを感じさせてくれる曲。
このように、アルバム前半からさまざまなアプローチを見せてくれますが、
やはりこのアルバムの中で特に良かったのは、7、8曲目。
7曲目「つま先スウィミー」では、ボーカルのまっきゃんの、Aメロでこぶしのような音を長く揺らす歌唱と、
同郷の先輩であるジッタリンジンの曲を思い出すような、スカのリズムが特に印象的で、
思わず踊り出したくなる、和風スカナンバーといってもいいような、見事な曲です。
そして8曲目の、シングル曲にもなった「ア・エ・イ・ロ・ハ」では、
まるで津軽三味線吉田兄弟の曲みたいな、三味線を全面に押し出したサウンド
これにバンドサウンドを融合させた、まさに日本の祭りって感じの曲で、
こちらも思わず踊り出したくなるような、素晴らしい曲です。
間奏ではGSのような雰囲気も感じさせてくれるところが、また本当に見事。


このように、さまざまなジャンルの音楽を融合させ、それを和のテイストで包み込んだかのような曲の数々、
これはまさに彼女たちだけにしか作れないような、唯一無二の音楽といっていいでしょう。
和のテイストの曲といっても、決して難しい世界観といった感じではないので、
このバンドはメジャーでも十分通用すると思います。歌メロもキャッチーで聴きやすいですし、
最近のメジャー歌手でいうなら、いきものがかりみたいな感じで、人気が上がっていって
これから飛躍してくれないかなと思います。
最近はまた地方発のバンドやグループが次々とメジャーで活躍していますので、
ぜひこのワコンチュも、メジャーから声がかからないかなと思いますね。







(P.S)
ところで、私の地元でもある、奈良からメジャーデビューするような歌手がなかなか出てこないのは、
(一応出身ってだけなら青山テルマさんのブレイクは記憶に新しいですが、彼女は地元のライブハウスなどで地道に活動していたというタイプではないですし)
奈良にはラジオ局が無い、それもFM・AMともに、これは全国47都道府県の中で奈良県だけ、
というのも原因の一つなのではないかと思います・・・
音楽文化などの発信拠点が、あまりにも少なすぎるから・・・ これは本当に残念です。