今日は、かなりダークな内容の日記を書きたいと思います。
このことは、文章として残したいですので、書かせていただきます。


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今日の日曜日、実家の母親と話をしていた時、
その話の流れで、ふとこんな話を自分からしました。



僕がまだ小学1年生ぐらいだった頃、家に連れてきた近所の子に、
その家の中にあった新品のぬり絵を、その子に見せてと言われて、なのでそれを貸したら、
その子からそのぬり絵を、色エンピツで一面真っ赤や真っ青に塗り潰されたことがあって、
あれは今でもものすごく腹が立ったこととして覚えているという、そういう話です。



すると、そのぬり絵を潰した子について、母親からこんな話を聞かされたのです。




近所の人たちなどから聞いた話によると、その子は、お姉さんと2人暮らしだったそうです。
さらに、その一緒に住んでいるお姉さんは夜の仕事をしていたらしく、なので家にいないことが多かったらしいです。
しかも子供なのに、明らかに大人の服を着せられていたりして、
明らかに普通の子と違うような感じだったので、はっきり覚えていたと。
後に聞いた話によると、その子はその後施設に入ったらしいです。


そして、家に連れてきた時、その子は「お腹が空いた」と言うので、
なのでラーメンを作って食べさせたら、その子はものすごく喜んでいたそうです。
さらにその後、僕はその子に、事務所にあった小銭入れを見せていたそうです。
(ちなみに父親の仕事は自営業なので、自宅兼事務所です)


そして帰った後、その子がマンションの下にあったコンビニでお菓子を買って食べていて、
すごく嬉しそうにしているのを見かけたそうです。
この日、おそらくご飯もウチの家に来てごちそうになるまではきっと食べてなくて、
なのでお金なんて持ってないはずのその子が、お菓子を買って食べている。



これは、その子が事務所のお金を盗んだのだと、後で分かったと・・・





という話です。





まさか今頃になって、こうして約20年前の事実を知ることになるとは・・・



今の俺なら、そもそもぬり絵とかの自分のものをわざと壊すようなことをされた時点で、
思いっきり怒って家から追い出してます。
なにせ20年経っても覚えてるぐらいに腹が立ったんですから。
なのに、それを怒るに怒れなかった、当時の俺。
弱虫で、しかも泣き虫で、本当に情けなかった、そんな子供の頃の自分。
何より、当時怒りを飲み込んでしまって理由は、やっぱり友達が欲しかったから、
ここで怒ったら友達になれないと思ったからなんだろうなと・・・
そして今、この話を聞かされて、なんだか言葉にならないような、
怒りや、情けないという気持ち、いろんなものが沸いてきました。


持っていたぬり絵を潰されて、あんなひどいことされても、
こっちはそれを許して友達になろうとしてたのに、
にもかかわらずその子はそれに加えて、父親が働いて貯めたお金まで盗んでたなんて。
どんな状況であれ、お金を盗むということは犯罪ですし、
その子にも腹立つ気持ちはも多少は沸いてきますが、
でもそれ以上に、当時の自分自身に対して、ものすごく怒りを感じる。
なんて惨めで、情けない話なんだと・・・ 
そんな子に対して、ダメなものはダメなんだと怒ること一つすらできなかったなんて。




俺は昔からずっとですが、そんな弱虫で情けない子供の頃の自分が今でもすごく許せないです。
「自分を許すことを知らずに 否定し続けずっと生きてた」のです。
(ちなみにこれは、より子「ココロの鍵」という曲の歌詞の一部です。この曲を聴いた時は感動しました)





しかしそこで、その事実を知り絶句しているような俺に対して、母親はこう言いました。



「あれは慈善事業をしたんだと思っておけばいい」
「その子もかわいそうな子だったんだから」
と。





この言葉を聞いた時は、本当に心の底から思いました。
あぁ、ウチの母親はなんて心の広い、素晴らしい人格者なんだろうかと・・・
もし俺が親の立場なら、こんなこと言えるだろうか・・・
事務所のお金を盗んだその子に対して、「こんな子、連れてくるな!」と責めるようなことはしなかったというのだから。



以前の日記に書いた、父親の「人には人それぞれの人生があるから、ホームレスという生き方もありだ」
という言葉といい、
つくづく、本当に俺って家族には恵まれたなぁと・・・ 
そんな両親には、感謝としか言いようがないです。




その代わり、友達にはご覧のように恵まれなかったですけど。




なんだか、あのお金を盗んだその子は今はどうしてるのかってのか、ちょっと気になりました。
今は立派な社会人になっていれば、いいですけどね・・・