今日は、去年から連載している、キングオブベストアルバムの紹介を久々にしたいと思います。
今回からは、2003年リリースの作品をレビューしていきます。


ついに、このアルバムを紹介する時がやってまいりました。
まさに新年1発目のキングオブベストアルバムにふさわしいと言える、大傑作。
それでは、いってみましょう!






GATES OF HEAVEN (CCCD)

GATES OF HEAVEN (CCCD)

1. Gates of heaven 2. 本日ハ晴天ナリ 3. 柊 4. アザヤカナハナ
5. 魔法の言葉 〜Would you marry me?〜 6. ブランコ 7. D/N/A 8. Weeds
9. Field of dreams 10. 科学の夜
 11. Thanksgiving Day
お気に入り度:100点!






Do As Infinityの5thアルバム。これにて、このブログのアルバムレビューにおいて史上初の、
2度目の100点を出したアーティストが生まれたわけですが、
これもまた本当に100点としかいいようがないぐらいに素晴らしい作品でした。


この作品は、J−POPとして万人に聴きやすい作品でありながらも、
曲や歌詞の多様性、そして芸術性が、ズバ抜けている。こんな作品はそうそうないでしょう。
1曲目の「Gates of heaven」の時点で思いっきりそんなことを感じさせてくれます。
クールで勢いがあって、かっこいいロックナンバー、
しかし歌詞の内容は、クスリにハマっていく歌だったという・・・
この歌詞の意味を知った時は驚きました。1曲目からいきなり深い、すごい曲だなと・・・
曲や歌詞の多様性についても、痛快なパンクナンバー「本日ハ晴天ナリ」や、
穏やかなレゲエ調の4曲目やウェディングソングの5曲目など、相変わらずさすがです。


しかし、今作においての一番の特徴は、バラード曲の素晴らしさでしょう。
シングル曲にもなった「柊」はもはや言うまでもないとして、
家族との絆を歌った「ブランコ」、ストリートミュージシャンの姿を歌った「Field of dreams」、
そして何より、このアルバム最大の名曲は、10曲目の「科学の夜」。
この曲は、核戦争により人類が滅亡する直前の、人々や地球の姿を歌った曲。
ひたすら悲しくも、ひたすら美しい、そんな曲。
しかし、美しいといっても決して戦争や核を美化してるわけではない。
それはこの曲の歌詞を聴けば分かるでしょう。 
「悲しすぎる この景色は 全て越えて 美しい」という歌詞。
人間は、本当に悲惨な状況に陥った時は、悲しいとか、泣きたいとかそういうのを越えてしまう。
戦争というものは、人間をそこまでさせてしまうんだという、そういうことを訴えかける曲。 
こんなにも強いメッセージ性を持った、芸術的な曲がそうそうあるだろうか・・・
世界平和への願いが込められた、まさに全世界の人に聴いて欲しいぐらいの曲です。


そしてこのアルバムの最後の11曲目は、豊かで平和な農村の収穫祭を思わせるような、
キラキラとしたポップス「Thanksgiving Day」、
この曲でハッピーエンドという構成も本当に良かったです。
この10曲目と11曲目のつながりもまた見事としか言いようがないですね。
アルバム全体を通してのコンセプトも完璧だったと思います。


私の中では、このブログで100点をつけたDoAsの2ndアルバムと5thアルバムを比べると、
2ndアルバムがロック色の強い、ガツンと素晴らしい作品なら、
5thアルバムはバラード曲が印象的な、しみじみと素晴らしい作品。
これはもう本当に甲乙つけがたいです。どちらも最高傑作といっていいでしよう!