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では続いては、2ndアルバム「second VERSE」をレビューしたいと思います。
- アーティスト: より子,FUMIKO,DAITA,中村太知
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2006/02/15
- メディア: CD
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9. ダイアの花 10. ただ手をあなたに伸ばして 11. 紡ぐ糸 12. うた
お気に入り度:98点(かんりにんの名盤入り)
このアルバムを聴いた時にまず感じたのは、「音楽の力」。
なんと言えばいいのか、とてつもなく「静かなパワー」みたいなのを感じる。
1曲目の「N.Y」の時点でもう完全に引き込まれました。これは歌詞自体は割とありがちだけど、歌の力がある。
この曲は「ニュー より子」という意味も掛けたタイトルらしいです。そのタイトルからも分かるように、
新たなものを見せてくれる、曲の幅や音楽性の幅も初期の頃から一気に広がったアルバムです。
「タイヨウ」「koi」のような、ピアノの弾き語り中心のサウンドで、優しい雰囲気の曲もあれば、
「復唱」のように「くたばっちまえ」という激しい叫びが心を撃たれるような曲もあり、
さらに「Vant」ではゲームの世界を歌ったような、どこかふわふわとした感じの曲、
そして「ダイヤの花」ではものすごい突進力を感じるロック曲・・・ とにかくバリエーションに富んでいます。
もちろん以前紹介した「さあ今きみと」も年間ベスト5クラスの素晴らしい曲です。
しかしこのアルバム、この「さあ今きみと」に匹敵するぐらいの名曲があるというのがすごい・・・
それが「ただ手をあなたに伸ばして」。
愛する人を失いそうになるという、その辛さ、心の叫び、人を愛することへの熱い思い、
それらが、より子さんの歌声・音楽と合わさって、もうこれでもかとばかりに伝わってくる・・・
この曲は「ただのラブソングじゃない」と、歌詞カードの横にも書かれている曲です。
まさにその通り、もう本当に心を揺さぶられる・・・
このアルバムを聴き込んで、思ったこと、それは、
今まで本当にいろいろと苦労してきたり、さまざまな人生を送ってきた人が歌う曲ってのは、やっぱり違う!
以前にもテレビなどで話題になってことがありましたが、より子さんは
子供の頃に小児ガンを患い、闘病生活を送った過去や、小学校の方も不登校になった過去があるようです。
そんな人生を送ってきた彼女が歌う、その歌声、そして歌詞・・・ やはり「歌の力」が他のそのへんの歌手とは違う!
同じ「歌手」でも、半ばお気楽にそのへんの恋愛の歌ばかりを歌ってる歌手とかとは、
もう言葉や歌の響きが違う。言葉では言い表せないものが伝わってくるってこのことなんだと思います。
ちなみに、より子さんのアルバムに対してはどこかのレビューで「激しいロック調の曲は合わない」と書かれている人もいましたが、
私は、ロック調の曲も含めてサウンド的な面でもさまざまな一面を持ち合わせたこの2ndアルバムの方が好きです。まぁそのへんは好みの問題でしょうけどね。