2000年リリース分のアルバムからここまで続けてきました、私的名盤アルバムのレビュー企画、
いよいよこの企画もラストイヤーとなる、2006年へとたどりつきました。
この年はレビューしたい作品が10枚以上あるというぐらいの、とてもレベルの高い年でした。
その中でも厳選の作品を、これから紹介していきたいと思います。まずはこの作品から、いってみましょう。








傲音プログレッシヴ

傲音プログレッシヴ

1. 一輪の花 2. for Dear... 3. {Here I am}  4. 宝石の涙 5. 水玉ラムネ 6. 背徳の情熱
7. 罪
 8. リアルワールド 9. A PLACE TO GO 10. STYLE〜get glory in this hand〜
11. パールシャドウ 12. 黒アゲハ舞う丘 13. 星空に降る雪 14. ガーデン オブ MY ハート
お気に入り度:99点






HIGH and MIGHTY COLORの2ndアルバム。
1stアルバムでは、曲自体はどれも良いのに、その半面アルバム曲においては
何かと未熟さも目立ってしまった感がありましたが、今作では、
曲の完成度、迫力ともに増し、音楽的に大きく飛躍を遂げたアルバムとなりました。


マーキーさん(当時)とユウスケさんによる、男女ツインボーカルというスタイルに加えて、
ヘヴィな一面とポップな一面が絶妙に共存し、お互いを引き立てているかのようなサウンドの数々、
これぞ、唯一無二という言葉がふさわしい音楽です。
それでいてどの曲もメロディが良く、歌メロ、サビの良さも際立っているというのがすごいです。
しかしその一方で個性も強く、特にユウスケさんのボーカルスタイルは聴く人を選ぶ感があるので、
最初はとっつきにくいと思う作品かもしれませんが、聴き込めば聴き込むほどにハマっていく、
そんな作品になっていると思います。(私自身がそうでした)


何よりこの作品は、アルバム曲が本当に良い曲ばかりです。
というより、1.10曲目のシングル曲よりも、アルバム曲の方が良いぐらいです。
5〜7曲目や、11〜14曲目の流れは最高といっていいでしょう。
その中でも特に素晴らしいのは、まずは6曲目の「背徳の情熱」。
ヘヴィなロックに民族音楽の要素を取り入れた、どこか神秘的な雰囲気が漂う曲。
それだけでも素晴らしいといえる曲なのですが、さらにすごいのは間奏の曲展開!
これは聴き込むほどに鳥肌が立つぐらい、すさまじい。
アルバムタイトルの「プログレッシヴ」という言葉にふさわしい、大傑作といっていいでしょう。
それに並ぶぐらい素晴らしい曲は、11曲目の「パールシャドウ」。
このアルバムの中では3曲目と並ぶぐらいの、超ハードな曲で、
その圧倒的なまでの疾走感と、荒々しさ、しかもそれが後半にいけばいくほど加速していくというのだから、
これは本当にすごいです。つくづく、こういった曲が世間的に全く知られていないのが惜しい・・・


それ以外の曲でも、7.13曲目ではダークでシリアスな雰囲気が何ともいえない奥深さがあり、
その一方で、2.5.9.14曲目ではポップで可愛らしい一面も見せており、
どれもギターサウンドの重さとポップさが融合したサウンドが見事です。
その中でも2曲目の「for Dear...」では友情、旅立ちを歌った曲で、
重厚なサウンドに、明るさと切なさと激しさが交錯するかのような曲展開が素晴らしいです。
これぞハイカラの真骨頂といえる曲ではないかと思います。


そして、前作では不安定さが目立ったマーキーさんのボーカルも今作ではかなり良くなってます。
それでも3曲目あたりはあともう一押し欲しかった感もありましたが、
でも、もとから声質が良いのと、あと何よりこれだけ1曲1曲が素晴らしければ、
もはやそんな細かい技術面なんてどうでもよくなります。


この作品は大傑作! 大激戦の2006年リリースアルバムの中でも一番の作品といえるでしょう。