NEED YOUR LOVE

NEED YOUR LOVE

1. For the future 2. Blue 3. BE FREE 4. 楽園 5. Ever.. 6. one flesh 7. ROBOT
8. 夜鷹の夢 9. Ultimate G.V 10. Need your love 11. 菜ノ花畑
お気に入り度:78点






Do As Infinityの6thアルバム。
この作品は、アルバムタイトルから分かる通り、広い意味での「愛」をテーマにした作品で、
それは恋愛だけでなく、様々な切り口から愛の必要性を歌いかけています。


例えば7曲目の「ROBOT」では、仕事に追われ、心を失くしてしまった人の姿を歌った曲で、
同時にこの曲には、やはり人間は「愛」をなくしてはいけないなと感じさせるメッセージ性があります。
そして何よりこのアルバムには、反戦への強いメッセージが込められているのも特徴です。
「夜鷹の夢」は、コソボ紛争により撃墜された爆撃機、F117ナイトホークのパイロットの姿を描き、
そして、戦争の恐ろしさ、愚かさをこれでもかとばかりに歌った曲。
「どんな正義をかざしても 流れ出る深紅の血を 止められはしない」
この歌詞にはすごく胸を打たれるものがありました。
そしてやはりこの曲にも、人類一人ひとりに「愛」さえあれば戦争なんて起こらないのにという、
そんなメッセージ性を感じることができます。
この2曲は文句無しに素晴らしい曲です。ですが・・・


実はこの作品は、ファンの間からもかなり賛否両論の作品で、
実際これまでのアルバム作品と比べると、上記の7、8曲目などの一部を除いて、
全体的に楽曲が浅くなってしまった印象を受けてしまいました。
まず、今作では亮さん作詞の曲が計5曲あるのですが、この5曲の中では、
シングル曲にもなった「楽園」は、8曲目同様に反戦へのメッセージが込められた曲で
「憎んでも何一つ生まれない」「そんなのもういらない」という歌詞は、
シンプルながらも普遍的なメッセージで、良かったと思います。
そして、伴ちゃんの優しくも力強く訴えかけるかのような歌唱も良かったです。
しかし、それ以外の曲の歌詞は・・・ どれも浅いなと思わざるおえない内容でした。
3曲目の「がー」「だぁー」とかは特に、もはや投げやりというか適当っぽく感じるし、
さらには「!!」の多用なども・・・ 以前までの曲にはこんな歌詞はほとんど無かったんですけどね。
何より、川村サイコさん名義の作詞曲である7、8、11曲目の歌詞と比べると、
はっきりと歌詞の質・レベルの違いが分かってしまう・・・
また、長尾大さん作曲のメロディについても、5、6曲目あたりは何回聴いても印象に残らなかったり、
しっかりと作りこまれてないように感じた曲がチラホラと出てきた気がしました。


これでもトータル的には決して悪い作品ではないのですが、
やはり、1st〜5thアルバムまでがあまりにも素晴らし過ぎたせいもあって、
相対的に今作は陰りがみえてしまったのではという部分が目立った気がします。


この後に彼らはシングル「TAO」をリリースして、そして一度解散してしまうわけですが、
この解散発表を聞いたときは、やっぱりもうこれ以上素晴らしい曲を作り続けるのは厳しかったからなのかな、
もはや限界だったのかな・・・ と思いました。「For the future」では限界目指せとか歌ってたけど。
でも、仮にこれ以上続けても曲の質がどんどん下がっていってしまうぐらいなら、
いっそのことスパっと解散してしまうのも潔いのかなと・・・ その時はそう思いました。
でもやっぱりしばらくすると、解散は惜し過ぎる、復活してくれと思いましたけどね!




2008年に復活、そして、この解散前の作品を軽く超えるレベルの復活アルバム作品を作ってくれて本当に良かった。