今日はCDレビューを書きたいと思います。
おそらく、年内作品についてはこれが最後の単独でのCDレビューになると思います。
それでは、いってみましょう。






DOROTHY

DOROTHY

1. A WHITE WHALE IN MY QUIET DREAM 2. 陽炎 3. X 4. ストーリーテラー 5. STEAL THIS HEART
6. I Pass By 7. 帰り路をなくして 8. Losing a distance 9. ラストメロディー
 10. 蛍 11. VENUS
お気に入り度:93点





今年10月にリリースされた、鬼束ちひろさんのニューアルバム。
完全復活、そして音楽に込めた新たな決意というものを、ひしひしと感じるアルバムだったと思います。


世間的には、鬼束ちひろの曲といえば暗いというイメージがあるかもしれません。
今作でいえば「帰り路をなくして」のような、ひたすらダークな曲ももちろん魅力の一つですが
しかしこのアルバム全部を聴けば、決して暗いばかりだなんてことはない。
同じバラード曲であっても、歌謡曲的なメロディにのせた美しいラブソング「陽炎」や、
どこか小悪魔的な感じのする「ストーリーテラー」などといったように、
曲ごとに違う色を感じるのが良いです。それ以外にも、激しいロック調の曲「X」や、
シンセの音が印象的で軽快な曲「STEAL THIS HEART」といった新たな挑戦を感じる曲も入っています。


そして何よりこのアルバムは、影の部分と同時に、光の部分を強く歌っている。
光を目指して、必死に向かっているかのような・・・ 特にラスト2曲は、圧巻といってもいいでしょう。
暗闇の中で光れと、まさにそんなことを思わせてくれる「蛍」は超名曲といっていいです。
そして最後には、壮大なまでの愛、決意、希望を歌った「VENUS」、
この圧倒的なまでのスケール、もうまさに大空から光がさしてくるかのような・・・


個人的には彼女の最高傑作だと思いました。いつかまた、ライブにも行ってみたいですね。
生で聴いたら、きっとCDで聴く以上に感動するだろうなぁ・・・