今日は、久々にアルバムレビューを書いてみたいと思います。
今年中盤の、私的注目作品の1つだったこのアルバム、実に見事な作品でした。




記憶

記憶

1. Memory of Soul 2. Dear My Friend 3. 約束の場所で 4. ほんとはね。(記憶 Version)  5. メロスのように 
6. Home Party 7. Shadow 8. CHOCOLATE 9. 働く!より子ブギ 10. ミカヅキ 11. あなた (記憶 Version)
お気に入り度:93点




6月にリリースされた、より子さんのメジャー4thアルバム。
今回はアルバム前に先行シングルのリリース無し、タイアップも全く無しのため
(てかレコード会社はもはや売る気無いのか・・・)
収録曲を1曲も試聴する機会がなかったので、聴く前までは期待と不安が半々だったのですが、
聴いてみましたら、これが素晴らしい作品でした。


まず1曲目の、エコーがかかった歌声が印象的で、どこか神秘的な世界が広がった曲
「Memory of Soul」で一気に引き込まれました。
そして「Dear My Friend」「約束の場所で」この3曲目までの流れは本当に素晴らしいです。
やっぱり、曲もさることながら、声がいいです。聴けば聴くほどジンワリといいなぁと思います。


そして、何より今作は、本来のピアノ弾き語り系という枠には収まらないぐらいの、
多彩でなおかつ魅力的な曲の数々が収録されているのが、すごく良かったです。
サウンドについては、ラテン風味の「メロスのように」、ブラスバンドが活躍する「Shadow」、
曲中にガラスの割れる音が入る、ダークテイストな曲「ミカヅキ」など、
さらに歌詞についても、童話のような世界観が印象的な曲「CHOCOLATE」、
より子さん自身の日常をコミカルに描いた「働く!より子ブギ」など、
とにかく今作は多彩で、しかしそれでいて、アルバムタイトルの「記憶」というテーマで
統一されたコンセプトアルバムのような作品になっているのがすごいです。


「ココロの鍵」がズバ抜けて素晴らしくてそれ以外の曲は全体的には微妙な印象だった前作よりも、
今作の方が、アルバム全体としてははるかに好きです。


つくづく、なんでもっと世間的に評価されないのか不思議です。
それどころか歌姫好きの間でも、私の巡回ブログなどにおいてほとんど名前を見かけないのが不思議です。
ピアノバラード系がメインの女性歌手なら、
熊木杏里植村花菜竹中絵里あたりはどこに行っても名前を見かけるのに、
より子さんについて書かれたブログは、1ヵ所しか見たことが無い・・・
せめて歌姫ファンの中でだけでも、上記3人と同じぐらい支持されていい歌手だと思うんですが・・・




より子「CHOCOLATE」