前記事からの流れというわけではありませんが、ついに、この作品のレビューを書く時がやってまいりました。
まさか、書ける日が来るとは・・・ そう思うとつくづく感慨深いものがあります。
それでは、今年一番の私的注目作品、いってみましょう!





I’m home

I’m home

1. I’m home 2. モンキーパーク 3. The song of a little viking 4. Shopping 5. 真夜中のマーチ
お気に入り度:90点






Bargainsのミニアルバム。2001年リリースの2ndアルバム以来、
9年もの月日が流れ、その間にグループ名もいつの間にか小文字表記になったようですが、
今回、ついに約9年ぶりのCDリリースが実現いたしました。
この作品を聴く前は、インディーズの限られた製作環境の中で、また5曲という曲数の中で、
果たしてどれだけのことができるのかなという不安がありました。
1stアルバムのような、ポップスやロックをベースにしつつも、
同時にジャズやアンデス民謡やその他ワールドミュージックまでをも巻き込んだ、
溢れんばかりの楽曲センスをこれでもかと見せ付ける、
そんな作品を作ることは、今回はさすがに難しいかもしれないと思ってました。



しかし、いざ今作を聴いてみると、そんな不安を吹き飛ばすような見事な作品でした。
この5曲という枠の中でも、存分に実力・魅力を発揮した作品となっていました。
なにしろ、今作のCDを開けて、そのCDケースの横に入っている
手書き歌詞カードを取り出し、それをチラっと見た瞬間から、
傑作を確信するぐらいでした。歌詞からしてさすが、格が違います。


そして曲の方は、まず1曲目でありタイトル曲の「I'm home」では
家族をテーマにした、ほのぼのとした良質なポップスを聴かせてくれます。
これがとにかく、人間味、温かさに溢れている。歌詞といい、ボーカルの田島さんの歌声といい・・・
2人の人柄の良さが存分に伝わってくる、これぞバーゲンズだといっていい曲です。


2曲目「モンキーパーク」では、懐かしい感じのロックサウンドのイントロから始まり、
さらにそこからキーボードが巧みに使われた、作り込まれたサウンドを聴かせます。
そして歌詞の方は、人間をサルに例え、人間界を皮肉ったようなフレーズが実に面白い。
皮肉を入れつつも、決してトゲトゲしくない。
ちょっぴり毒づいても、笑って許せてしまうような、そんな人間的魅力が彼らの曲にはある。
これまたバーゲンズの、裏の魅力といっていい作品です。


3曲目「The song of a little viking」では、
この広い世界の上で、船に乗って航海をし始めたかのような、
そんな力強い歌詞と歌声が印象的な、スケールの大きなバラード曲。
後半の銅鑼の「ジャーーーン」という音といい、終盤の三宅さんのコーラスといい、
これらにはどことなく異国情緒が漂いつつも、それでいてとても力強い。
イメージとしては、大西洋あたりを航海しているかのような・・・
まさか今作でもワールドミュージックを感じさせる曲を作ってくれるとは!
これだけでも待ち続けた甲斐があった、素晴らしいとしか言いようがない曲です。


4曲目「Shopping」では、
買い物が大好きだという内容を歌った、軽快かつ痛快なポップスです。


そしてラスト曲「真夜中のマーチ」では、遠く離れた、家族やお世話になった人たちへ、
また同時に、この作品を聴いている人たち全てに、歌を通じて思いや願いを伝える、
そんな名バラードです。歌詞には、子供の頃からずっと音楽が大好きだったんだなという、
音楽への思いも込められており、これがまた胸に伝わってくるものがあります。




以上、曲数は5曲でありながらも、こんなに充実した内容のアルバムを、
今回リリースしてくれたというのは、つくづくとても嬉しかったです。
またこの作品は、5曲で1200円という、超お買い得価格。
文字通りのバーゲン価格といっていいお値段です。
なので、バーゲンズをあまり知らないという人でも、これなら手軽に買うことができるでしょうし、
決して買って損はないです! 今年一番の、このブログおすすめ作品です。
ぜひみなさんこの作品を買って、今後もどうか彼らがCDをリリースできるように、応援しましょう!



なお最近では、公式サイト http://www.bargains.jp/にて、
ライブ映像の無料配信もやっているようなので、こちらも必見ですね。