今日は、90年代の私的名盤アルバムをレビューしたいと思います。
最近は2000年代の名盤レビューが続いてましたが、今作っているアルバムレビュー全集を完成させる前に
この作品だけはどうしてもレビューしたいと思いましたので、それでは、いってみましょう!






NEWS

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1.DEPARTURE TIME 2.真昼の月 〜MOON AT MID DAY〜 3.デジタリアン・ラプソディ 
4.BRAND NEW SONG
 5.火の鳥 〜FIRE BIRD〜 6.NO GOOD NEWS TODAY 7.CRIMZON RED 
8.虚空の迷宮 〜type β〜 9.DANGEROUS VOYAGE 〜失楽園への旅〜 
10.SAVE YOUR SOUL 〜美しきクリシェに背をむけて〜

お気に入り度:100点!!





1997年にリリースされた、聖飢魔IIのアルバム。
日本のヘヴィメタルバンドとして、ご存知の通り長く活躍してきたバンドですが、
この頃の作品については、一部ではポップ化してしまったと言われており、
いわゆるコアなメタルファンにとっては、そうなるのを良く思わない人が結構いるようです。
歌詞や、全体の世界観についても、以前までは
「生きたまま蝋人形のごとく 震えて眠れ明日はもう無いさ」とか歌ってたイメージが強かったのが、
このアルバムでは「素直になるなら 青空がいい 案外答えはすぐさ」とか歌っていたりするので
その点については確かに賛否両論になるのは仕方ないかもしれません。


しかしそれでも、このアルバムは、曲の質自体は高い。
いや、高いどころか、もはや日本最強クラスの作品といってもいいぐらいだと思います。
メタルのヘヴィさは残しつつ、メロディの良さがズバ抜けている。
旅の始まりを思わせ、聴いてて希望が沸いてくるような曲「DEPARTURE TIME」から始まり、
疾走感あるメタルサウンドにストリングスが絶妙にからむ「デジタリアン・ラプソディ」、
イントロからアウトロまでにおいてギターの音色が美しい、アルバム唯一のバラード曲「火の鳥 〜FIRE BIRD〜」
など、アレンジ面でも多彩で、10曲全てが違う色を持っていて、まさに捨て曲無し。
その中でもラストの「SAVE YOUR SOUL 〜美しきクリシェに背をむけて〜」は全てが最高にカッコいい大傑作。


世間的には、聖飢魔IIといえばいわゆるイロモノ的なバンドかと思ってる人も多いと思いますが、
もともとは「お茶の間にヘビーメタルを」というコンセプトで活動していたらしく、
この作品はまさにそれにピッタリの、聴きやすさと質の高さを兼ね備えた作品、
これはもっともっと世間で評価されてもいいのにと思います。
この作品、CDレンタル店にすらほとんど置かれてないとか信じられない・・・






聖飢魔II「DEPARTURE TIME」