PICORINPIN

PICORINPIN

1. Fire Ball 2. MUSIC 3. walkin’ 4. Le Theatre du Grand-Guignol 5. 恋するピエロッティ
6. プールサイド 7. ウォーアイニー 8. ジレンマ 9. neon sign 10. お天気雨
お気に入り度:65点





高橋瞳の約4年ぶりとなる3rdアルバム。
2ndアルバムに続いて今作でも、様々なロック系のアーティストからの楽曲提供を受けて製作されました。
2008年に「ウォーアイニー」でビーグルとコラボして以降は、よりコアなロック路線に走るようになったものの、残念ながらCD売り上げは低迷。
そして3rdアルバムは何とかリリースすることはできたものの、
内容については聴く前から私的には不安が大きかったです。そして、やはりその不安が的中・・・

今作では最初の1、2曲目に代表されるように、サビや盛り上がり所がどこなのかも分かりにくいような、メロディの良さと歌唱の伸びやかさが後退してしまった曲が多い気がしました。
先行シングルの「プールサイド」についても、どこか投げやりな歌唱と、
バックのピアノの音の激しさの方ばかりが目立ってしまった印象でしたし、
スーパーカーのKoji Nakamuraさんが提供した2、9曲目に至っては、
この人は今まで彼女がどんな曲を歌ってきたのか知ってるのかと言いたくなるような、
抑揚の無い淡々としたメロディと、それに合わさざるおえない低空飛行な歌唱。
これ彼女のファンや一般リスナーのことを考えてないだろと。自分のバンドでやってろよと。
こんな曲を提供してしまう方に問題がある。
さらには自作の作詞についても、頑張っているのは伝わってくるのですが、
やはり今までとは雰囲気が変わり過ぎ、コア感漂い過ぎな歌詞が目立ってしまう・・・
3曲目では初の自作曲を作り、これが結構良かったりと頑張っているだけに、なおさら惜しい気がする。
そんな中、今作の楽曲で一番良いと思ったのは、シングル曲でもある5曲目の「恋するピエロッティ」。
この曲を作曲したROLLYさんは、さすがAAAなどにも楽曲提供した経験があるだけあって、
ロディアスで、なおかつ彼女の歌唱の持ち味を生かした曲を作ってくれたと思います。

公式サイトのブログを見ると、高橋瞳さん本人にロック志向が強いことは分かりますし、
自分のやりたい音楽の道を突き進むことは全然良いことなのですが、
やるならもう少しメロディを大事にしたロックアルバムを作り上げて欲しかった。
コアな曲をやることで、スーパーカーなどといった辺りを好んで聴くようなロックファンがつけばいいが、ついていたらこのアルバムがオリコン初登場200位以下なんていう売り上げ結果にはならないわけで。
何より、2ndアルバム後にリリースされ、当時のファン達からの評価も高かったはずのシングル曲の、
「あたしの街、明日の街」がこのアルバムに入っていないという時点で、
やはりファンと本人とで望む音楽の方向性が違っていたということなのだろうか。
果たして次のリリースはあるのか・・・