いよいよキングオブベストも大詰め・・のその前に、今日からは新作アルバムを2作続けてレビューしたいと思います。
どちらもこのブログのアルバムレビューでは初登場、というかこのブログ的には意外な作品かもしれません。
まずはこちらからいってみましょう。この作品は、聴く前から密かに期待していましたが・・・
その期待をも軽く超えてしまうぐらいの、今年を代表するレベルの名作アルバムが誕生いたしました。









新世界 -Neo Universe- (通常盤)

新世界 -Neo Universe- (通常盤)

1. Neo Universe PARTI 2. LAST OF EDEN 〜Neo Universe PARTII 3. 新世界を越えて 〜Neo Universe PARTIII
4. Zipangu 5. この愛を捧げて 6. GET YOUR CHANCE 7. 初恋の嵐 〜Love Hurricane
8. 風の詩 (Acoustic Version)
 9. リバプールから遠く離れて 10. 夜明けを求めて (Album Mix)
11. 桜の実の熟する時 (Album Mix)

お気に入り度:★★★★★★★★★☆ (9.5/10)







THE ALFEEのニューアルバム。
誰もがご存知の大ベテランバンドでありながら、個人的にオリジナルアルバムを聴くのは初めてでした。
このアルバムは、作品のキャッチコピーに「メロハー」という言葉が使われていることからも分かる通り
前半を中心にメロディアスで叙情的な曲調のハードロックや、
メタル色の強い曲の数々が並ぶアルバムとなっています。
その中でも1〜3曲目は、曲のタイトルを見れば分かる通り組曲のような構成となっており、これが本当に素晴らしい!
私はもともと一部のメタルバンドにあるような組曲は苦手で、あと10分前後あるような長い曲というのも、
集中力が5分までしか続かない体質である私にとっては軒並み苦手だったりするのですが、
(例外的に大好きなのはm.o.v.e「come together」「U.S.A」ぐらいです)
この組曲は全て4〜6分台で、しかも単曲で聴いても質の高い作品であり、
ドラマチックでな上にキャッチーさも持ち合わせているというからすごいです。

前半の曲を中心に、激しいギターサウンドの中にも、3人の声のハーモニーの綺麗さがあり
そしてキーボードやストリングスの音も効果的に使われているので、
何ともいえない叙情性を感じる。そんな曲が多いです。
アメリカンロックのような雰囲気のするAメロから始まり、
そしてサビでさらに盛り上がるという「GET YOUR CHANCE」も、
さすが大阪国際女子マラソンの中継テーマ曲なだけあって良いですし、
先行シングルにもなった壮大なバラード曲「この愛を捧げて」といった曲も良いです。
さらに、後半にはアコースティックギターを生かした曲も収録されていて、
音楽性の幅の広さも感じることもできます。

そして歌詞の方は、相変わらず「立ち上がれ」的な前向きで力強い歌詞が多いですが、
今作のオリジナルアルバムではそれだけではなく、「黄金の国ジパング」と歌う4曲目や、
さらには曲のタイトル通り、リバプールが舞台として出てくる9曲目など、
まるで世界を旅しているかのような雰囲気を味わえる曲も入っており、
さらに極めつけは7曲目。初恋を歌った曲ですが、これがびっくりするぐらいスイーツな歌詞。
曲調はそれなりに力強いのですが、歌詞カードを見ると、なんと顔文字まで出てきてしまってます。
こんな歌詞の曲を、50代のみなさんが歌っているというのは面白いです!
アルバム全体の中でもいいアクセントになっている曲だと思いました。

さすがとしか言いようのない作品でした。完全に独自の世界観を確立してますし、
何よりこういう感じのメロハー、メタル的な音楽をやっているアーティストというのは、
最近の日本のメジャーアーティストでは他にはあまり思い浮かばないです。
単に私が知らないだけかもしれませんが・・・
でも、最近のバンドには無いような魅力がこのアーティストにあると感じたのは確かでしたね。