私は最近の音楽以外に、90年代の音楽についても、そのCD作品をブックオフなどで買い集めるのが好きで、
なので、このブログのCDレビューにおいても、
90年代の名盤アルバムについてどんどんレビューしたいと前から思っていました。
しかし、それについては1年ぐらい前にTOMATO CUBEのアルバムをレビューして以来、
それから、忙しいこともあり全くレビューを書くことができませんでしたが、
今日は、久しぶりに90年代作品のCDレビューをやってみたいと思います。
これからも機会があれば、ブックオフで250円で買える名盤たちを、レビューしていきたいと思います。





ハイランダー

ハイランダー

1. 耳たぶ 2. ハイランダー 3. スパる 4. 月光 5. ビター・メモリーズ 6. ひどく暑かった日のラヴソング
7. 穴があったら出たい 8. 転校生は宇宙人 9. きのうのレジスタンス 10. Runner 
11. THE BLUE BUS BLUES
 12. 目ん玉
お気に入り度:98点(名盤入り!)



1988年にリリースされた、爆風スランプのアルバム。
ということで、もはや90年代ではなく80年代までタイムスリップしてしまいました。
もともとこのバンドの曲を知ったきっかけは、小学1年生の頃「Runner」が運動会でよく流れていたのと、
NHKみんなのうたで「転校生は宇宙人」という曲が流れていたことです。
これが当時からどちらもすごく好きで、そういう意味では、
私がJ−POP史上初めて好きになったアーティスト、だと言ってもいいかもしれません。


そして、それから10年以上が経ったある日、このアルバムを聴きました。
このアルバムには誰もが知っている彼らの代表曲で、世代を超えた名曲「Runner」も収録されていて、
世間的には爆風スランプといえばそのイメージが強いかもしれませんが、
しかし、このアルバムにはその1曲のイメージだけではとても表せないぐらいの、多種多様な魅力がありました。


元々このバンドは、コミック色の強いバンドだったそうで、
このアルバムでも最初と最後の曲(?)や、7曲目の「穴があったら出たい」を聴けばそんな要素を感じさせます。


しかし、今作の中で一番すごいと思った曲は、
3曲目の「スバる」。これは、核兵器の怖さ、愚かさを歌った曲。
谷村新司「昴」のパロディの要素も含まれた、コミカルというか皮肉を込めた歌詞に、
ブラスバンドの音がからむ印象的なサウンド
これらが組み合わさったこの曲は、どこか怪しげで、まさに独特の怖さみたいなのを感じる。
こんな曲は、まさに彼らにしか作れないといっていいでしょう。


他にも、当時の日本や国際情勢を嘆いた曲「ハイランダー」などもあり、
しかし、その一方で、切ないラブソング「月光」、父親への感謝の気持ちを歌ったバラード曲「きのうのレジスタンス」、
ライブツアーで全国を旅する様子を描いた、どこかほのぼのとした「THE BLUE BUS BLUES」などといった曲もある。
とにかく、歌詞もサウンドも多種多彩で、そして、それらどの路線の曲においても、歌詞やメロディの質が高い。
ただそれ故に、アルバム全体の統一感というようなものは無いけど、むしろ彼らはそこがいい。
小学生の頃好きだった「転校生は宇宙人」も、今聴くと、あらためて完成度の高さが分かります。
電子音の使い方が絶妙、まさに宇宙人が降りてきたかのような・・・


このように、コミカルな曲から、シリアスな曲まで、
そして激しいロックナンバーから、感動的なバラード曲まで、
まさに何が飛び出すか分からない、ここまで面白さを感じるバンドは、最近のバンドにはいないと思います。
(あえて挙げるなら・・・ SEX MACHINEGUNSぐらいか? 確かにコミカルだけどサウンド面では違うか)



彼らは日本の音楽シーン、ロックバンドシーンにおいて、もっと評価されてもいいと思います。



爆風スランプ「月光」